最近の研究から

最近の研究ノート

731部隊・100部隊研究と

ゾルゲ事件の学術研究から

第9回尾﨑=ゾルゲ研研究会

日時 2025年10月10日(金)15時30分〜18時
会場 愛知大学 東京霞が関オフィス
https://www.aichi-u.ac.jp/tokyo/access

主題:スパイ防止法とゾルゲ事件
—永井靖二『満州スパイ戦秘史』をめぐって

報告 永井靖二(朝日新聞社会部記者)

討論 名越健郎(拓殖大学海外事情研究所客員教授)
   樫村愛子(愛知大学文学部教授)
   李 昱(愛知大学大学院中国研究科博士課程後期)

参考書籍:永井靖二『満州スパイ戦秘史』(朝日新聞出版)
https://publications.asahi.com/product/25364.html

 心臓病からの快復の見通しが立った年末から、少しづつですが、研究生活への復帰を始めました。そのとっかかりとして、蔵書・資料整理を4年ぶりで再開し、可能なものはPDFにして残し、雑誌そのものは廃棄する作戦です。まだ内容的に整理するには至っていませんが、本サイト「研究室」のページに、数多くの論文の他、対談・座談会・エッセイ等を新規に収録することができました。特に1990−94年に、80年代『現代と思想』(青木書店)の名編集者であった故西山俊一さんが興した窓社の雑誌『季刊 窓』に、自分でも忘れていた多くの論文が、掲載されていました。「総目次」と共に、「日本はポストフォード主義か」の国際論争や、「民主集中制」をめぐる藤井一行・橋本剛・平田清明さんとの密度の濃い座談会討論など、現在でも生々しい意味のある論稿が、見つかりました。ちょうど、本サイトの入っているXdomain/serverの再編で、7月までに新たなサーバーに移転しなければならなくなりました。今回、倉沢愛子・松村高夫共著『ワクチン開発と戦争犯罪ーーインドネシア破傷風事件の真相』岩波書店、2023年)書評、2022年5月に亡くなった私の政治学の恩師・田口富久治教授の追悼集(私家版『追想・田口富久治』1923年11月)への私の寄稿文「戦後日本政治学史と田口富久治先生」を新たに追加しました。これら新規収録論文を組み込んだ、カリキュラムの再編・再構築も一緒に取り組みたいと考えていますが、まだ未完成です。

● 獣医学の小河孝教授とコラボした共著『731部隊と100部隊ーー知られざる人獣共通感染症研究部隊』(花伝社)に続いて、2024年9月に、獣医学者の小河孝さん、歴史学者の松野誠也さんと共著で、『検証・100部隊ーー関東軍軍馬防疫廠の細菌戦研究』という書物を刊行しました。やや高価な学術書ですが、本サイトに幾度か寄せられた、旧100部隊員の遺言を受けた「匿名読者」との対話編も入っていますので、多くの皆さんに読んでいただければと願います。さらに共著の私の担当分「第3章 情報戦としての細菌戦」の一部を、映像や画像で読みやすくアレンジした愛知大学オンライン「平和学」講義資料にしたところ、731部隊・100部隊に関心を持つ中国やロシアを含む受講者に、大変好評でした。

● 2024年6月1日(土曜日)、東京・目白の学習院大学で、日本平和学会の平和文化研究会として、尾崎・ゾルゲ研究会もコラボして、劇団民芸・木下順二作「オットーと呼ばれる日本人」の合評会を兼ねた研究会を開きました。第6回尾崎=ゾルゲ研究会(OS通信号外)となります。 

● 第6回  尾崎=ゾルゲ研究会研究会 尾崎=ゾルゲ事件と『オットーと呼ばれる日本人』との交錯をめぐって」 報告1  20世紀共産主義の総括へ―『オットーと呼ばれる日本人』劇評1島村輝(フェリス女学院大学教授) 報告2  レ・コミュニストとは何者であったのか?―『オットーと呼ばれる日本人』劇評2鈴木規夫(愛知大学教授)討論   加藤哲郎(一橋大学名誉教授) 、司会   渡辺守雄(筑紫女学園大学教授)渓流斎日乗さんの参加記が出ています。

● 尾崎=ゾルゲ研究資料蒐集、聞き取り調査などの実施について引き続き、是非ともご協力のほどお願い申し上げます。ご用の向きは、以下の事務局へご一報頂ければと存じます。 尾崎=ゾルゲ研究会事務局:愛知大学名古屋校舎鈴木規夫研究室気付 norioszk@vega.aichi-u.ac.jp/ 20221107os@gmail.com


 私が代表をつとめる尾崎=ゾルゲ研究会のシリーズ第一弾、A・フェシュン編・名越健郎・名越洋子訳『ゾルゲ・ファイル 1941−1945 赤軍情報本部機密文書』(みすず書房)、を刊行した延長上で、シリーズ第二弾のオーウェン・マシューズ著、鈴木規夫・加藤哲郎『ゾルゲ伝 スターリンのマスター・エージェント』(みすず書房)が刊行しました。

 

 「等身大のゾルゲ解明へーー尾崎=ゾルゲ研究会発会主旨」(毎日新聞、2022年2月13日夕刊) 

 シリーズ「新資料が語るゾルゲ事件」尾崎=ゾルゲ研究会編(みすず書房)アンドレイ・フェシュン著、名越健郎・名越陽子訳『ゾルゲ・ファイル 1941−1945』(みすず書房)

 「蘇るスパイ・ゾルゲ」(『週刊朝日』2022年11月11日号) 「スパイ事件 公表から80年 ゾルゲにソ連側が不信感 機密文書まとめた資料集邦訳」(毎日新聞夕刊2022年12月14日

 「伝説のスパイ ゾルゲの謎に迫る、刑死から78年、書籍続々」(朝日新聞夕刊2023年1月20日)

 明治大学平和教育登戸研究所資料館 第13回企画展講演会:加藤哲郎「ゾルゲ事件についての最新の研究状況」(2023年5月(映像編)論文編)

 岸惠子主演『真珠湾前夜』が可能にした学術的ゾルゲ事件研究」(みすず書房HP、2023年5月18日)

  加藤編『ゾルゲ事件史料集成——太田耐造関係文書』 全10巻(不二出版、2018年7月第1巻所収、加藤解説「ゾルゲ事件研究と『太田耐造文書』」),.

 <土曜訪問インタビュー>「プーチンの原点は ゾルゲ研究から ウクライ ナ侵攻探る」 加藤哲郎さん(一橋大名誉教授)(中日・東京新聞2023年6月3日)

 ゾルゲ事件研究深化、愛知大文庫開設を計画 寄贈資料すでに1000点(中日新聞7月27日夕刊トップ)<記者がたどる戦争>ゾルゲ事件(北海道新聞2023年8月111213日) 

 毎日新聞『ゾルゲ伝』書評:岩間陽子「極東と欧州、同時代の歴史が融合」(2023年7月22日)

 読売新聞『ゾルゲ伝』書評:井上正也「大物スパイ 成功と孤独」(2023年9月1日)

 東京新聞「ゾルゲ事件の新証言 自白強要や拷問なかった、元特高警察の男性の生々しい記録が見つかる 戦時中のスパイ捜査」(2023年9月18日)

 北海道新聞「ゾルゲ事件」捜査つづる遺稿集 元特高警察の男性遺族、愛知大教授に寄贈」(2023年11月9日)

 東京新聞「ゾルゲ事件、特高警察の取り調べ記録を「研究に役立てて」 主任警部の遺稿集を遺族が愛知大に寄贈」(2023年11月13日)

● 2024年アメリカ大統領選投票直後の11月7日は、リヒアルト・ゾルゲと尾崎秀実が1944年に国防保安法違反ほかで死刑に処されて80周年でした。私たちの尾崎=ゾルゲ研究会は、11月6−9日に、中国やロシアからゲストを招き、 愛知大学人文科学研究所と共同で、国際ワークショップ「ユーラシア大陸の秩序再編とインテリジェンスをめぐって」を開きました。加藤哲郎「ゾルゲ事件研究の現段階」「要旨」と配付資料、当日報告パワポ)、上海師範大学・蘇智良教授「上海から東京へ:陳翰笙のインテリジェンス生涯」、モスクワ大学A・フェシュン教授の「尾崎とゾルゲとの個人的・事務的関係 」の3本が基調報告されました。中国からは陳麗菲 、洪小夏、徐静波、馬軍、徐青、臧志軍氏ら、日本から長堀祐造、田嶋信雄、 鈴木規夫、名越健郎、清水亮太郎氏らの報告と討論が行われました。

 詳しくは、新設された尾崎=ゾルゲ研究会ホームページをご参照ください。または、愛知大学の尾崎=ゾルゲ研究会事務局(20221107os@gmail.com)にお問い合わせください。

● 24年11月の国際会議の直後、名越健郎さんの文春新書『ゾルゲ事件ーー80年目の真実』が公刊されました。最新の研究成果を盛り込んだ、格好の入門書です。是非ご参照ください。4月26日(土)に、尾崎=ゾルゲ研では、名越さんを囲み合評会を開催しました(茗荷谷・拓殖大学)。詳しくは、尾崎=ゾルゲ研究会ホームページをご覧ください渓流斎日乗さんの「若い優秀な研究者が現れた」という参加記が出ています。私の健康上の問題もあり、名越さんには、OS研共同代表になっていただきました。

本学には、以下のようなセクションがあります。学びを志す方は、 どちらのドアからでも、ご自由にお入り下さい。

 加藤哲郎研究室(学長兼事務員の自己紹介

 当研究室刊行物一覧、エッセイ等)

 新総合カリキュラム(2020年1月、大学院レベルの専修コースに再編しました)

 情報学研究室(必修カリキュラム、 リンク集処理センターと歴史探偵収集センターが両輪です)

 政治学研究室総合カリキュラム、永久保存版論文・エッセイ多数収録)

 現代史研究室総合カリキュラム、日本現代史、旧ソ連秘密資料もあります)


 情報収集センター (本学の目玉で特別研究室731部隊『「飽食した悪魔」の戦後』特集「現代史の謎解き」「国際歴史探偵」の宝庫、■データベース「旧ソ 連日本人粛清犠牲者・候補者一覧」、在独日本人反帝グループ関係者名簿 」、旧ソ連秘密資料センター」などが入っています!)

 イマジンIMAGINE!(3.11FUKUSHIMA後更新)、■Global IMAGINE、■IMAGINE GALLERY、■「戦争の記憶」 (番外大正生れの歌(2018年版) 」「100人の地球村 」)

 特別研究室731部隊研究・『「飽食した悪魔」の戦後』特集:「2019年の尋ね人」=731部隊結核班長「二木秀雄」、元北海道副知事「長友浪男」について、情報をお寄せください! ( 戦医研論文、「731部隊と旧優生保護法強制不妊手術を結ぶ優生思想(you tube)」


 学術論文データベ ース

 図書館 (書評の部屋、エッセイ集、カレッジ日誌(過去ログ) 、「98-06ベルリン便り」99-12 メキシコ便り」「パンデミックの政治学2009」、 「竹久 夢二探訪記」もあります)  


 国際交流センター (Global Netizen College only in English

 客員教授ボブ・ジェソップ研究室 (イギリスの国家論者Bob Jessopの Homepageと直結、最新論文をダウンロードできます)

 † 客員名誉教授故ロブ・スティーヴン研究 室(オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学、「日本 =ポスト・フォード主義国際論争」の私の共著者、2001年4月18日永眠。遺稿”Competing Capitalisms and Contrasting Crises: Japanese and Anglo-Capitalism”

 † For the Eternal Memories of Prof. Mikhail Masaovich SudoDr. Jasim Uddin Ahmed , and Mr. Allan Sadaminovich Sasaki(2011年1月、本カレッジの発展に多大の貢献をした、

須藤政尾遺児ミハイル・スドー教授、

■ヤシム・アハメッド博士、

■健物貞一遺児アラン・ササキさん追悼ページ)、