加藤哲郎のネチズンカレッジ   netizencollege

研究室 新総合カリキュラム(■情報学研究 ■政治学研究 ■現代史研究) 図書館 イマジン カレッジ日誌(過去ログ)  国際歴史探偵の書斎から神田神保町タウン誌本の街』誌提携)

1 竹久夢二の2枚の「ベルリンの公園」

2 松本清張『球形の荒野』のモデルは崎村茂樹か?

3 福本和夫とゾルゲのドイツでの一期一会

4 宮本百合子「こわれた鏡」と「日本のソルジェニツィン」勝野金政

5 九段坂野々宮アパートの1937年末ーー岡田嘉子とアイノ・クーシネン

6. パスタの『壁の穴』から覗くCIAから日本文学まで

7 占領期時局雑誌の興亡ーー『真相』対『政界ジープ』

8 トロツキーと佐野碩のメキシコ

9 占領軍に検閲された「世界のトヨタ」の社内報

10 久米宏が戦後50年に発掘した可児和夫

戦争は一人、せいぜい少数の人間がボタン一つ押すことで一瞬にし て起せる。平和は無数の人間の辛抱強い努力なしには建設できない。このことにこそ、平和の道徳的優越性がある」(丸山眞男 )、■加藤「『国際歴史探偵』の20年」、 ■「日本のコロナ対応にみる731部隊・100部隊の影」, ■「戦前の防疫政策・優生思想と現代」 、■「 コミンテルンの伝統と遺産」、 ■30年前の「日本共産党への手紙」、 ■岸惠子主演『真珠湾前夜』が可能にした学術的ゾルゲ事件研究」、 ■「ゾルゲ事件についての最新の研究状況」(映像編)論文編)

情報の海におぼれず、情報の森から離れず、批判的知性のネットワ ークを!

2026年8月 月例時評

● 暑い、酷暑の夏です。集中豪雨と山火事・地震の頻発、日本だけでなく世界で、気候変動が進みます。月ロケットやAIの進化と裏腹に、人間社会の環境劣化が心配です。そのうえ、プーチンのウクライナ戦争は、すでに大平洋戦争より長く続き、トランプとネタニヤフのイラン戦争は、ホルムズ海峡停戦「合意」の脆さに加え、カスピ海でのイランとロシアの補給ルートがウクライナのドローン攻撃の標的にされて、二つの戦争が結びつき、泥縄的に第三次世界戦争へと近づいています。

● トランプの自己陶酔と認知症はますます進み、商業主義の跋扈したFIFAワールドカップで、インファンティノ会長と組んでルール無視したり、優勝したスペインチームの表彰式祝勝画面強引に割り込んで「ブーイングマイウェイ」と顰蹙を買ったり。イランとの停戦合意などなかったかの如くに戦争を続け、最高指導者以下8000人ともいう多くのイランの人命を奪いながら、14人のアメリカ兵の死には逆上して数倍の反撃命令と、命に値段をつける差別丸出しの言説です。

● ついには裁判で敗れた関税政策を突如として復活し、日本より高くなったガソリン価格が下がらないのは石油会社のせいだと八つ当たりしたり、スミソニアン博物館の展示は奴隷制が強調されすぎていると難癖をつけたり……ーー支離滅裂・非合理ながら、冗談まじりでいったん副大統領になっての3選までほのめかす、自己陶酔と気分次第の頽廃ぶり。米国市民の中間選挙での合理的・常識的審判を望むしかなさそうです。

● 日本の高市首相も、ようやく物価高より国家主義の正体が知られてきました。支持率が急落しつつるあるとはいえ、未だ50%です。

● 円安為替・長期国債市場で不信任が続きインフレを加速、なのに例の無責任な「責任ある積極財政」で、さらなる円安必至の「骨太の方針」を強行しようとしています。「財政健全化」が消えた「強い経済」への重点政策は、そのとば口での熊本地震で、TSMC以下投資を呼び込む半導体拠点「シリコンアイランド」構築にケチがつきました。そもそも科学技術を支えるべき高等教育への介入が「成長分野への学部・学科の再編」で、人文・社会科学はますます肩身が狭くなります。国旗損壊罪も国家情報局も皇室典範改定も副首都法も、本人もよくわかっていない「仮想敵」へのドンキホーテのようです。政敵中傷映像やサナエトークンについては逃げに逃げて、秘書の陳述書でごまかし、国会追及の時間切れです。国会軽視も甚だしい、異常な政権です。

● 高市首相の歴史認識を示す古い映像が、ウェブ上で出回っています。2002年の田原総一朗と高野孟による「サンデープロジェクト」の新進女性政治家・高市早苗の戦争観の追及。日本の戦争をあくまで「自存自衛」といいはる「サナエの無知」の暴露です。「推し活」支持層にとっては、これも老練政治評論家による、か弱い女性いじめに映るのでしょうか。米国の狂信的MAGA派と似ています。

● もっとも皇室典範問題での男系男子皇位継承のだまし討ちで、日経・讀賣世論調査の内閣支持率が10ポイント下がっても、なお5割の支持です。維新と合意した「公約実現」の名目で独善政治を続ける鉄面皮な高市首相には、馬耳東風かもしれません「隙だらけのアイドル」「曖昧な弱者」が支える構造を、こわすしかありません。首相動静の緻密な分析から噓を見出した、リテラの「高市首相の「休んでない」「寝てない」アピールは本当なのか 徹底検証! 「資料読み込み」「アイロンがけ」も矛盾だらけ」のような地道な批判が肝要です。『女性自身』の鋭い問題提起ーー実際は「一日の仕事が3時間」では、とも。

● こんな夏には、先月紹介した河野有理さん『日本史はいかに物語られてきたか』(新潮選書)のような世界観の交錯の高等謎解きもありますが、むしろ、石川啄木や中野重治に戻っての「愛国」の意味の問い直しがお勧めです。高市の「働いて働いて働いて働いて、働いてまいります」への庶民の単純明快な返答は、啄木の「はたらけどはたらけど 猶わが生活楽にならざり ぢっと手を見る」です。

●いよいよインフレ物価対策の本丸、飲食料品消費税1%の攻防が始まります。当初の計画だった超党派の社会保障国民会議では意見がまとまらず、結局与党案である消費税1%引き下げプラス低所得者向け現金給付で、公約だった0%にする案を、首相の責任で執行するといいます。レジシステム変更経費やさらなる円安を考えれば、店頭価格は変わらない可能性大です。2年後に8%に戻すなど至難の業でしょう。早くも日経新聞社説は「未来への責任放棄」と批判自民党内有力政治家からも公然たる異論皇室典範問題で見苦しい醜態を見せた中道改革連合・立憲民主党・公明党は、来春統一地方選を控え、野党としての矜持が問われます。高市内閣の最大のスポンサーである麻生副総裁は、均衡財政を犠牲にしても、皇統男系男子と日本国憲法改正を狙っているようです。

● 神田神保町タウン誌「本の街」連載の8月号「第10回 久米宏が戦後50年に発掘した可児和夫」はすでに発売され、本HP版も収録されています。9月号の第11回「岸恵子とガガーリンによるゾルゲ復権」は、8月10日頃に発売されアップされる予定です。8月は本「ネチズンカレッジ」が1997年に立ち上がった月であり、昨年本HP新装版移転した月です。今振り返ると、本サイト「リビングルーム」の30年近い歩みは、ウェブ上での言論・思想表現の技術的革新の動きを反映してきたようです。9月の月例時評が新装版1周年になりますので、かつてのパソコン通信から今日のSNSにいたる流れを、考えてみようと思います。

ネチズンカレッジ2025年10月新規開講コース案内

2025年9月の新規開講に当たって、30年近い「ネチズンカレッジ」の伝統と実績を引き継ぎながら、SNS時代にマッチした新たなコースを構成していきます。

ブログ;今月の世界と日本

情報学中心のカリキュラム再編成

最近の研究から:731部隊・100部隊とゾルゲ事件

図書館:書評と資料紹介、読者の寄稿

イマジン:9・11と3・11の情報戦の記録

Global Netizen College (in English)

「ネチズンカレッジ」の30年(過去ログ)

 Since Aug.15,1997で、2020年1月、2025年9月に大幅改訂しました。開設以来の、ちょっと嬉しく恥ずかしい話。WWW上の学術サイトを紹介するメール マガジン“Academic Resource Guide”第3号「Guide & Review」で、本HPが学術研究に有用な「定番」サイトに選ばれました。ありがたく また光栄なことで、今後も「定番」の名に恥じないよう、充実・更新に励みます。同 サイトは、学術研究HPの総合ガイドになっていますから、ぜひ一度お試しを! 「Yahoo Japan」では「社会科学/政 治学」で注目クールサイトに登録され、特別室「テル コ・ビリチ探索記」が「今日のオススメ」に、「IMAGINE! イマジン」が「今週のオススメ」に入りました。「LYCOS JAPAN」では「政治 学・政治思想」のベストサイトにされていましたが、いつのまにか検索サイトごと「Infoseek」に買収され、「学び・政治思想 」でオススメ・マークを頂いたようです。『エコノミスト』では、 なぜか「イ ンターネットで政治学」の「プロ」にされましたが、河合塾の「研究者インフォー メーション 政治学」では「もっとも充実した政治学関係HP」、早稲田塾の「Good Professor」では、「グローバ ル・シチズンのための情報政治学を発信」という評価をいただきました。「日経新聞・I Tニュース」では「学術 サイトとしては異常な?人気サイトのひとつ」として、「リクルート進学ネッ ト」にも顔を出し、「インターネットで時空を超える大学教員」なんて紹介されました。

 朝日新聞社アエラ・ムック『マスコミに 入る』で、元勤務先一橋大学の私のゼミナールが、なぜか「マスコミに強い大学 」のゼミ単位東日本代表に選ばれ「堅実・純粋な感 性」を養う「社会への関心が高い『問題意識』の強い学生が集う」ゼミナール として紹介されました。「 ナレッジステーション 」には、「政治学 ・おすすめ本」を寄せています。早稲田大学客員教授の時に、共同通信配信全国地方紙掲載「こんにち話」で「国際歴史探偵 」と認定していただき、法政大学大原社会問題研究所で「『国際歴史探偵』の20年」を話させていただきました。

 その後、中部大学「アリーナ」誌で、なぜスターリン批判に入ったかの1970年代の話とモスクワ日本人粛清に関わるアメリカ共産党日本人部の話を、その延長上で「等身大のゾルゲ事件研究」について、毎日新聞東京新聞のインタビューに答えています。恥ずかしながら、ありがとうございました。

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学長 加 藤 哲 郎  Dr. Kato Tetsuro     

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